爆発まで秒読み

二次元と三次元のアイドルがすき。EBiDANもすこし

ジャニヲタが考えるうたプリの中の人という存在

最初に言っておくと、私はジャニヲタでありシャニヲタだ。そんな私が4thライブのシネライに行ってきた。前回よりも格段にアイドルとして成長している彼らを見て、なんとも複雑な思いを抱いてしまったので、5周年という区切りの日に記事にしてみた。

 

事の発端は、最後の挨拶で下野さんが言ったこの言葉。

「来栖翔と一生付き合っていくことになると思う。」

この言葉を聞いた時に、嬉しいとか悲しいという感情よりも先に疑問符が頭の中に浮かんだ。下野さんにとっては、ファンを喜ばせる言葉だったかもしれない。もちろん、本音だとも思う。しかし私は下野さんに「一生」を背負わせてしまうことを怖いと感じてしまった。約3時間30分のライブを見てきて、私は中の人である声優さん達にST☆RISHとQUARTET NIGHTを重ねて見てしまっていたのだ。

 

寺島さんが、「キャラが動いているのが見える」と言っていたように、まるでそこに立っているのが本物のST☆RISHとQUARTET NIGHTかのような錯覚に陥っていた。それは演じている声優さんにとっては良いことなのだろう。しかし、キャラクターと中の人という境界線が薄れていくことが必ずしもプラスだとはどうしても思えないのだ。

 

横浜アリーナという会場で2日間公演をし、それでも倍率は何十倍だとか何百倍だとか言われている。そして来年1月にはさいたまスーパーアリーナでの2日間のライブも決定している。うたプリはそれほどまでに大きなコンテンツへと成長した。使い古された言葉だが敢えて言う、こんなこと5年前に誰が想像できただろうか。初めはちょっとしたイベントのつもりだったはず。それが5年後には3万人規模の会場でライブをしている。もう「ちょっとしたイベント」では収まりきらないことは誰が見ても分かることだろう。プリライが決定されるたびに言われている、地方ツアーやドーム公演。これほどまでに需要と供給が一致しないコンテンツもなかなか珍しい。

 

それならば、ファンの要望通り、地方ツアーやドーム公演を実現させればいいのか。いや、違う。少なくとも私はそう思う。ツアーとなれば、最低3公演、出来れば5大都市を回って欲しいのが正直な意見だろう。それを実現させるとすれば、少なくとも1ヶ月から半年は期間が必要になる。その間、あの11人を拘束することは果たして可能だろうか。ツアーの合間にそれぞれの仕事をこなし、音楽活動をしている人はもしかしたらその年のツアー等の個人活動は控えなければならないかもしれない。彼らの本職はアイドルではないはずなのに。歌って踊ることを本職としていないはずの彼らの重心を、アイドルに傾ける姿が本当にファンが見たい姿なのだろうか。

 

しかし、地方ツアーやドーム公演が実現すれば嬉しいし、チケットを取ってライブに行きたい。寺島さんを見て、音也くんだと感じることもある。そして本人達もそう見て欲しいと思っている節はあるように感じる。こんなことを長々書いているが、私の杞憂に過ぎないかもしれない。本人達が「ずっと続けていきたい」と言っているのだから、御託を並べず素直について行けばいい。それでも私は迷ってしまう。もっともっとうたプリが大きくなって、キャラクターと中の人の境界線がだんだん薄れてきて、キャラクターに中の人が食われてしまわないだろうか。常にキャラクターとしての振る舞いを求められないだろうか。声優としての彼らにアイドル性を求めてしまわないだろうか。そんな恐怖感に飲み込まれてしまいそうになる。しかし、既にそのような層は一定数いることは感じている。だからこそ、怖いのだ。その波が広がってしまうことが。

  

誤解を招いていそうだが私はこの先、うたプリにはずっと続いて欲しいと思っている。コンスタントに曲を出して欲しいし、うたプリというコンテンツを終わらせては欲しくない。しかし、ST☆RISHやQUARTET NIGHTはあくまでも二次元のアイドルだ。ジャニーズのように曲のリリースで音楽番組に出ることも、ドラマに出ることも出来ない。それなら、声優さんたちを音楽番組に出せという意見をよく見かけるが、彼らはST☆RISHやQUARTET NIGHTの「中の人」であって、ST☆RISHやQUARTET NIGHT自身ではない。乱暴な表現になってしまったが、仕方がないことだと思う。圧倒的に二次元のアイドルは寿命が短い。だからこそ私は、彼らの中心にうたプリを置いて欲しくない。この作品がきっかけで音楽活動を始めたり、認知度が上がって仕事が増えたりとプラスにつながることはあったはずだが、仕事の大半を占めるようなことはして欲しくないと思ってしまう。重心を置くことは嫌がるが、活動は続けて欲しいとはなんとも自己中心的な意見だと自分でも思う。それでも、叶えてくれるのではないかと期待せずにはいられないのだ。

 

私が好きなのはST☆RISHの寺島拓篤ではない。ST☆RISHの一十木音也や、彼を演じている寺島拓篤だ。もちろん他の10人に対しても同じことを思っている。キャラクターとしてのST☆RISHやQUARTET NIGHTが好きだからこそ、そこに明確な線引きは存在していて欲しい。